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伝統文化に対しての考え方【2018年】

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今日はとても難しい話をします。

伝統文化のあり方についての深い話

「ルーツとアイデンティティは保ち続けながらも、
発展し、革新し続けるのが伝統文化のあるべき姿」

これが伝統文化に対する僕の持論です。

僕は自分自身の活動について、深い話はなるべくしないようにしてるんです。
なぜなら、「お正月」というのは、深い話をするタイミングではなく、
日頃の喧騒から解き放たれて羽根を伸ばすタイミングだからです。

すなわち、「年間を通してお正月を続ける」という私のコンセプトに反するので、
深い話はなるべくしないようにしています。

しかし、和楽器バンドの鈴華ゆう子さんが、
数日前にご自身のブログを更新されたことを受けて、
私も少し深い話をしようかなと思い、書き連ねることといたしました。

鈴華ゆう子『鈴華なり吟剣詩舞丸っと解説!』
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生き残る伝統は未来に向かって進んでいく

時代は常に、未来に向かって進み続けるものです。
古い時代に向かって歩みを進めるということは決してございません。
例えどれほど素晴らしい文化があったとしても、
そのままの姿であり続けようとするならば、
それはいずれ古び、滅び去り、忘れ去られる定めにあります。

「お正月」という文化も、まさにその滅びへの道を歩み続けている文化ではないか?
そのように私は考えています。
古い文献を探ってみると、今では忘れ去られてしまい、
本の中でしか見られなくなったようなお正月の古い慣習がたくさんみつかります。

人は常に未来に向かって生きています。
古い慣習や伝統が、何も変化せずそのままの姿で存在し続けようとしても、
「面倒だから」「やる意味を感じない」「時代に合わなくなった」
そのような理由で、捨て去られていくのが定めでございましょう。

いまなお生き残っている伝統文化というのは、
その時代の人々の感性や感覚で、変化し、リファインされ続けてきたものです。

歌舞伎も落語も変化し続ける

お正月は平安時代から始まったとされている大変古式ゆかしい伝統文化でございますが、
それに比べればまだ歴史の浅い、江戸時代から始まったとされる「歌舞伎」でさえ、
常に変化し、進歩し続け、常にその時代の息吹を取り入れながら、今なお人々を魅了し続けています。

「落語」もそう。
古典落語だけでなく、その時代の名匠たちは、
いつも新しい時流を生み出そうと様々なアプローチを試みています。

伝統が変化する上で忘れてはならないこと

ここで大事なのは、「ただ変化すればいい」ということでなく
「ルーツ」と「アイデンティティ」を見失わないこと、それが大事です。

「その伝統や文化は、一体何の目的でそこにあるのか?
なぜ今なお生き残り続けているのか?」

その「本来の意味や意義を見失うことなく変化することが大事」と私は考えます。

例えば私は「一年中お正月を続ける」というアプローチをしています。

これはただ単に奇をてらった行いなのではありません。

「お正月がいつまでか?」の定義が
「三が日まで」「7日まで」「一月いっぱいまで」など諸説ある中で、
結局「お正月の終わりはそれぞれの気分次第」であるという「日本人らしい曖昧性」に
「お正月のアイデンティティ」があることに気付き、
その有り様に一石を投じるべく、このような行いをしているのです。

このような深い考察が、一巡りして「奇をてらっているかのように」
見えてしまうこともあるでしょう。

しかし、「一年中お正月を続ける」という行いは、
「お正月の本来的な定義に何の改変も加えていない」ということがとても重要です。

「お正月がいつまでか?」の定義には諸説あるが、
結局「お正月の終わりはそれぞれの気分次第」であるので、
「ならば、お正月気分を維持し続けることによって、年間を通してお正月を続けることができる。」
というのが、私の活動の基礎となるコンセプトです。

ここには「ルーツやアイデンティティの再解釈」はありますが、改変はありません。

アイデンティティやルーツ、すなわち「本質」を保ちながらも、
その時代を生きる人々の感性による新たなる解釈で、変化させ、進歩させる。
これが伝統文化と向き合う上で非常に大事なことだと考えています。

アイデンティティを忘れた改変は先人への侮辱である

別の例を挙げましょう。
「ハロウィン」や「クリスマス」、「バレンタイン」の
有り様を不快に感じる人は少なくないでしょう。

それは「アイデンティティやルーツ、本来的意図をおざなりにした改変」が
行われているからです。

アイデンティティを見失った「単なるお祭り騒ぎ」に改造されてしまったからこそ、これらのイベントを不快に感じる方が少なくないのだと私は考えます。

なぜ、アイデンティティを見失うことがよくないかというと、
それは「先人への畏敬の念を忘れた侮辱的行為」だからです。

先人が大事にしてきたものをないがしろにする行為だからこそ、
アイデンティティをおざなりにすることはよくないことなのです。

このように、先人への畏敬の念を忘れず、
その時代の人々の感性によって新たなる形へ進歩させることこそ
「伝統文化のあるべき姿形」だと私は考えています。

私はこれまでもこのスタンスを崩していませんし、
これからもこのスタンスを決して崩さないでしょう。

鈴華さんの携わられている「吟剣詩舞」という分野も、
どうかこのような進歩・発展のされ方をしていくことを願ってやみません。

鈴華ゆう子『鈴華なり吟剣詩舞丸っと解説!』
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