この記事では、お正月(おしょうがつ、オショウガツ)の英語表現は本当に「new year anniversary」でいいのか?お正月のローマ字表記は「Oshogatsu」なのか「Osyogatsu」なのかについて、掲載しています。
私はお正月の魅力を世界へ発信するYouTuber「ミスターお正月」です。1,000年以上の歴史がありながら、まだ世界にあまり広く知られていない伝統文化「お正月」。私はこの「お正月」という文化の魅力を世界に発信していくことで、日本を盛り上げようと考えています。日本全国47都道府県それぞれの「お正月(おしょうがつ)」を現地取材・調査して、YouTubeで動画配信しています。
私の詳細については、トップページやYouTubeチャンネルを、ご質問やお問い合わせについてはお問い合わせフォームをご利用ください。
お正月の英語表現「new year anniversary」
お正月の英語的表現は「New year anniversary」であると言われています。しかし、New year anniversaryを日本語に直訳すると「新年祝い」。「新年の到来を祝す儀礼」のような意味になります。
しかし、日本人の習慣としての「お正月」には、儀礼的・風習的意味だけではなく、もっと意味の薄い単なる1月1日からの「期間」を示すニュアンスもあり、必ずしも「New year anniversary」と「お正月」とが、一対一の訳になるとは考えづらいものです。
私の活動は、世界や後世に「お正月」を日本の伝統文化として伝えることです。この活動の発端や、重要性の一つには、この「New year anniversary」と「お正月」との意味の不一致があります。
一つの文化としてとらえた「お正月」は、他国の「New year anniversary」とは相互一致しません。言い換えると、この事実は日本のお正月の文化としての独自性を表しているとも考えられます。
「お正月とNew year anniversaryは、ちょっと違うんじゃないか?」
この事実に、日本の多くの方が気づいておらず、海外の人もまた、気づいていらっしゃらないと考えました。だからこそ「お正月」=「New year anniversary」という「便宜的な訳語の割り当てでいいんじゃないか?」とされてきたのではないでしょうか?
私はそこに異議を唱えたいのです。
つまり、「お正月」を英語で表現するときは「New year anniversary」ではなく「Oshogatsu」であり、Oshogatsuの意味の説明として「new year anniversary」や「new year day’s」「new year vacation」といったものがある、という風に、その価値や意義を改めて見直し、伝えなおしたいのです。
お正月のローマ字表記「Oshogatsu」
このホームページのドメインはhttps://www.oshogatsu.netとなっております。
このドメインを取得しようとしていた時、気になる部分がありました。それは「sho」の表記です。「ショ」のローマ字表記は、本当は「syo」であって、「お正月」のローマ字表記も、本当なら「osyogatsu」が正しいのではないかと錯覚していました。
キーボードで「ショ」の文字列をタイプするときは大抵「sho」で打ちます。しかし、「それは正しい表記ではなく、キーボード用の打ち方」のように錯覚をしていました。ただ、ドメインを取得する時も、勢い余って、ロクに調べもせず「sho」の表記で取得してしまいました。のちのち調べなおしてみると、実は「syo」ではなく「sho」が正しかったことが判明しました。
ローマ字表現「訓令式」と「ヘボン式」
一般に普及しているローマ字表現として、「訓令式」と「ヘボン式」が知られています。それぞれのローマ字表記を調べてみました。
以下に表を掲載しますが、これらの表によると、どちらの方式でも「Oshogatsu」が正しいローマ字表記なのだとわかりますね。
訓令式 ローマ字表(引用/http://himetorao.aikotoba.jp/roman/table.html) | ||||||||||
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第1表 | あ | a | い | i | う | u | え | e | お | o |
か | ka | き | ki | く | ku | け | ke | こ | ko | |
さ | sa | し | si | す | su | せ | se | そ | so | |
た | ta | ち | ti | つ | tu | て | te | と | to | |
な | na | に | ni | ぬ | nu | ね | ne | の | no | |
は | ha | ひ | hi | ふ | hu | へ | he | ほ | ho | |
ま | ma | み | mi | む | mu | め | me | も | mo | |
や | ya | ゆ | yu | よ | yo | |||||
ら | ra | り | ri | る | ru | れ | re | ろ | ro | |
わ | wa | ゐ | i | ゑ | e | を | o | |||
・ | ||||||||||
が | ga | ぎ | gi | ぐ | gu | げ | ge | ご | go | |
ざ | za | じ | zi | ず | zu | ぜ | ze | ぞ | zo | |
だ | da | ぢ | zi | づ | zu | で | de | ど | do | |
ば | ba | び | bi | ぶ | bu | べ | be | ぼ | bo | |
ぱ | pa | ぴ | pi | ぷ | pu | ぺ | pe | ぽ | po | |
・ | ||||||||||
きゃ | kya | きゅ | kyu | きょ | kyo | |||||
しゃ | sya | しゅ | syu | しょ | syo | |||||
ちゃ | tya | ちゅ | tyu | ちょ | tyo | |||||
にゃ | nya | にゅ | nyu | にょ | nyo | |||||
ひゃ | hya | ひゅ | hyu | ひょ | hyo | |||||
みゃ | mya | みゅ | myu | みょ | myo | |||||
りゃ | rya | りゅ | ryu | りょ | ryo | |||||
・ | ||||||||||
ぎゃ | gya | ぎゅ | gyu | ぎょ | gyo | |||||
じゃ | zya | じゅ | zyu | じょ | zyo | |||||
ぢゃ | zya | ぢゅ | zyu | ぢょ | zyo | |||||
びゃ | bya | びゅ | byu | びょ | byo | |||||
ぴゃ | pya | ぴゅ | pyu | ぴょ | pyo | |||||
・ | ||||||||||
第2表 | しゃ | sha | し | shi | しゅ | shu | しょ | sho | ||
つ | tsu | |||||||||
ちゃ | cha | ち | chi | ちゅ | chu | ちょ | cho | |||
ふ | fu | |||||||||
じゃ | ja | じ | ji | じゅ | ju | じょ | jo | |||
ぢ | di | づ | du | |||||||
ぢゃ | dya | ぢゅ | dyu | ぢょ | dyo | |||||
くゎ | kwa | |||||||||
ぐゎ | gwa | を | wo |
ヘボン式 ローマ字表(引用/http://himetorao.aikotoba.jp/roman/table_h.html) | ||||||||||
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50音 | あ | A | い | I | う | U | え | E | お | O |
か | KA | き | KI | く | KU | け | KE | こ | KO | |
さ | SA | し | SHI | す | SU | せ | SE | そ | SO | |
た | TA | ち | CHI | つ | TSU | て | TE | と | TO | |
な | NA | に | NI | ぬ | NU | ね | NE | の | NO | |
は | HA | ひ | HI | ふ | FU | へ | HE | ほ | HO | |
ま | MA | み | MI | む | MU | め | ME | も | MO | |
や | YA | ゆ | YU | よ | YO | |||||
ら | RA | り | RI | る | RU | れ | RE | ろ | RO | |
わ | WA | ゐ | I | ゑ | E | を | O | |||
ん | N | |||||||||
・ | ||||||||||
濁音 半濁音 | が | GA | ぎ | GI | ぐ | GU | げ | GE | ご | GO |
ざ | ZA | じ | JI | ず | ZU | ぜ | ZE | ぞ | ZO | |
だ | DA | ぢ | JI | づ | ZU | で | DE | ど | DO | |
ば | BA | び | BI | ぶ | BU | べ | BE | ぼ | BO | |
ぱ | PA | ぴ | PI | ぷ | PU | ぺ | PE | ぽ | PO | |
・ | ||||||||||
拗音 | きゃ | KYA | きゅ | KYU | きょ | KYO | ||||
しゃ | SHA | しゅ | SHU | しょ | SHO | |||||
ちゃ | CHA | ちゅ | CHU | ちょ | CHO | |||||
にゃ | NYA | にゅ | NYU | にょ | NYO | |||||
ひゃ | HYA | ひゅ | HYU | ひょ | HYO | |||||
みゃ | MYA | みゅ | MYU | みょ | MYO | |||||
りゃ | RYA | りゅ | RYU | りょ | RYO | |||||
・ | ||||||||||
ぎゃ | GYA | ぎゅ | GYU | ぎょ | GYO | |||||
じゃ | JA | じゅ | JU | じょ | JO | |||||
ぢゃ | JA | ぢゅ | JU | ぢょ | JO | |||||
びゃ | BYA | びゅ | BYU | びょ | BYO | |||||
ぴゃ | PYA | ぴゅ | PYU | ぴょ | PYO |
結局のところ、お正月の英語表現は何が一番が正しいのか?
私がいつも考えていることですが、
「文化というものは、学者が論文として発表したものが正しいのではなく、人々が直感的に受け入れやすいものこそがその時代の正しさではないか?」
そんなことを考えています。
もちろん、お正月のローマ字表記は「Oshogatsu」か「Osyogatsu」で言えば、上記の訓令式やヘボン式の示す通り「Oshogatsu」が正しいでしょう。
しかし、「お正月 = new year anniversary」とすることに、私はやはり違和感を感じずにはいられません。
言葉とは、一つの文化です。辞書に載っているものに正しさがあるのではなく、人々の間に根付いたものの中に「確からしさ」を求めるのが「文化との正しい付き合い方」ではないでしょうか?
群馬県は本来は「Gumma」であるが、「Gunma」が正式採用された。
人々の間に根付いたものの中に「確からしさ」を求めるのが「文化との正しい付き合い方」、そんなことの身近な例として、著者ことミスターお正月の出身地である群馬県のローマ字表記のお話をいたしましょう。
群馬県の、正しいローマ字表記は「Gumma」ですが、群馬県の公式見解として「Gunma」が採用されています。多くの人が直感的にわかりやすい表現だからこそ、こちらが公式に採用されたように思います。
(説明資料日本語訳)
関係者各位。群馬県庁では、県名の表記としては”Gunma”という訓令式のローマ字表記を使用しています。これは、1954年内閣告示第一号による綴り方で、国際標準化機構(ISO)が1989年に承認したISO3602にも準拠する綴り方です。一方、外務省では明治時代以来の慣習として、都道府県のローマ字表記についてヘボン式を使用しているため、パスポートのローマ字表記は”Gumma”となっています。つまり、パスポート表記の”GUMMAと、その他書類の”GUNMA”は同じ地名を表記していることに間違いはなく、有効に扱われなければならないものです。
(引用元/群馬県ホームページ https://www.pref.gunma.jp/04/c3610022.html)
日本人の感覚として「Gumma」と表記された場合「グッマ」と発音しようとしてしまいますからね。
更新履歴
- 2021年7月30日 微調整
- 2020年5月16日 大幅改稿
- 2018年3月20日 初稿公開
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